こんにちは。ケンです。
ピアノをする上で、シャープ(#)やフラット(b)といった記号は避けて通れません。
この2つの記号の事を調号と言います。
調号は付く順番が決まっているのですが、初めて楽譜を見た人や初心者は知らないと思います。はっきり言って、順番なんて知らなくてもピアノは弾けるのですが、知っておくと便利な部分もあります。例えば、シャープの数を数えるだけで、どの音についているかパッとわかるようになります。
さらに言うと、この調号は、変調、長調、短調といった事と関わりがあります。
そういった事を理解する上でも、順番を知っておくと少し楽になります。
ところで、
この調号、どこかで見たことありませんか?
「そんな所いかないよ」って人には、分からなくてすみませんが、例えば、カラオケボックスです。
原曲をそのまま歌うと自分にとって音が高すぎたり、低すぎたりします。その時にリモコン上でこの記号のボタンを押しませんか?キー操作というものです。
・シャープ(#)を押すと、半音ずつ高くなる
・フラット(b)を押すと、半音ずつ低くなる
これを移調と言うのですが、原曲の形はそのままで、音域を高くしたり低くしたりします。原曲を知っている人なら、このキー操作を行うと変な感覚になると思います。
ピアノの曲でも、原曲から移調をした曲が多く出てきます。ありそうな感じで書くと「○○交響曲ホ長調」といった感じですね。
移調をすると、シャープやフラットという調号が付きます。これを変調と言います。
せっかくなので、この変調についても説明したいと思います。少しややこしい話もあるので、目次作成しました。
詳細は以下からご覧下さい。
1、シャープとフラットが楽譜に付く順番
良く見ると分かりますが、シャープの順番とフラットの順番は完全に逆です。
この順番に記号が付くのはルールだと思ってください。
語呂合わせではないですが、
「ふぁどそれらみし」
「しみられそどふぁ」
そのように続けて呪文の様に言うことで、意外と簡単に順番を覚えれると思います。
(リズムをつけてもイイと思います)
2、変調と音階の基礎
変調と音階について説明します。
普段、当たり前のように使っている「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」ですが、実はこれはイタリア語です。
日本語ベースの言い方だと、
「ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロ、ハ」
になります。
これを前提に話が進みます。
これを知らないと、この後の話が何のことかサッパリ分からなくなります。ですから、これは必ず知っておきましょう。
また、シャープ、フラットという言い方もイタリア語です。
日本語ベースにすると、
シャープは嬰(えい)と言います。
フラットは変(へん)と言います。
これも知っておく必要があります。
・長音階と短音階について
長調や短調という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
ざっくり書くと、
・長調は明るい感じ
・短調は暗い感じ
こんなイメージです。これだけ知っていれば十分です。笑
曲名の最後に○○短調と付いていたら、暗い感じの曲なんだ。って思うくらいです。
もう少し踏み込んで書きますと、
長音階「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」
短音階「ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ(#)、ラ」
いつも良く聞く「ドレミファソレシド」ですが、それは長音階と言うのです。ドを基準にして音階が始まります。
このドから3音下げて”ラ”を基準にすると、短音階という物になります。
ピアノがある人は少し試しに弾いてみて下さい。
長音階の方は明るい感じ、短音階の方は暗い感じに聴こえると思います。
短調というものは、この”ラ”から始まる音階を基準にしています。
3、変調と音階を少し詳しく説明
3-1)長調について
○長調といった楽譜のタイトルを見た場合、
この○の部分は音階の始まりの音を指しています。
※画像があった方が分かり易いので、画像をつけました。
赤字:なじみのあるドレミです。長音階の基準です。
黒鍵の辺りに書いてある赤字は、
書く音にシャープやフラットの調号が付いた場合です。
青字:短音階の基準です。
緑字:日本語ベースでのドレミの表し方です。
長調の基準となるのが、シャープやフラットが何も付いていない状態です。これをハ長調と言います。
基準の音が、日本語ベースで言うハの音(ドの音)で始まるからです。
音階は「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」です。
・シャープが付いた場合
シャープが付く順番はここで書いています。
初めは、ファの音に付きます。その場合、ファ#(黒鍵)の次の音ソの音から音階が始まると考えます。
ファにシャープがついているときの音階は、「ソ、ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ(#)、ソ」 です。
ソの音は日本語ベースで”ト”になります。従って、ファにシャープが付いた場合はト長調となります。
次はドの音について場合です。シャープとしてはファとドについていますが、最後に付いたシャープを基準に考えます。
ドに#が付くと、音階はレから始まります。レの音は日本語ベースでは”二”となります。
従って、ニ長調というワケですね。
※長調も短調も白色の鍵盤をベースに考えます。黒色の鍵盤からは音階が始まりません。
・長調についての補足
時々、嬰ハ長調(えいはちょうちょう)といった風に書くことがあります。冒頭で嬰(えい)とはシャープを表す日本名だと説明をしました。
例えば、ミとシにシャープ(#)が付いた場合、それぞれ音階のスタートはファとドの白鍵盤位置になります。それぞれ、嬰へ長調、嬰ハ長調となるのですが、嬰へ長調はこの後に説明をするフラットの場合の時と区別をします。
「シャープが付いた音階だよ」ってわかるようにする為に、頭に嬰をつけます。
嬰ハ長調は通常のハ長調と区別をつけるために、嬰と付けるのです。
嬰や変といった漢字が付いた変調は、名前が被っていたり、何の調号が付いているかわかるようにする為にあると考えればOKです。
・フラットが付いた場合
シャープの場合と考え方が異なります。
フラットが付く順番はここに書いています。
まずシに付きますが、シャープの時のようにロ長調とはなりません。
簡単に書くと、フラットの場合は、白い鍵盤で4音下がった位置から音階が始まる。
(現時点の音も含む)
そのように考えると分かり易いです。これを決まりごと(ルール)として考えると良いと思います。
この考え方で行くと、シ→ラ→ソ→ファ(日本語ベース:へ)
シの音だけにフラットが付いている場合、へ長調となります。
次はシとミにフラットが付きます。ミ→レ→ド→シ(日本語ベース:ロ)
ロ長調 ・・・?
シャープの場合にすでにロ長調があるので、どちらの調号が付いているか判別できません。よってフラットの日本名を付けて、変ロ長調と書きます。ちょっとしたコツですが、フラットの場合はひとつ前に付いたフラットの位置から音階が始まります。
シ、ミ、ラ、レにフラットがある場合だと、ラから音階が始まると考えて、ラ(日本名:イ)です。
従って、変イ長調という風になります。
それらをまとめると以下の様になります。
長調についてはシャープやフラットが付く順番の様に、呪文の様に語呂合わせで覚えていました。
「とにいほろへは」 ←シャープの場合
「へろほいにとは」 ←フラットの場合
何となく言い易いので、これも言っている内に覚えてしまうと思います。
何年もピアノから離れていましたが、これは何故か覚えていましたね。笑
3-2)短調について
短音階「ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ(#)、ラ」これがベースとなるのですが、始まりの音がラからになります。
基本的な考えですが、
この「ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ」の位置を「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」と置き換えて考えます。
日本語ベースでの読み方は変わらないので、ラの音は”イ”となります。シャープもフラットもない状態だと、イ短調という事になります。
・シャープの場合
長調の時と基本的な考え方は同じです。まず、ファに付きますが、短調の場合ラから始まるのでそこだけ注意です。
ファの位置が、従来のドレミで言うと、レになります。(画像を見てね)
レのシャープと考えると、音階はミから始まります。
ミは日本語ベースだと”ホ”になりますので、ホ短調ということになります。
シャープ2個だと、ファとドです。
今はラの位置がドに置き換わっていますので、従来のラにシャープが付いていることになります。ラのシャープで音階はシから始まります。シは日本語ベースで”ロ”になるため、ロ短調ということになります。
・フラットの場合
これも長調の場合と考え方は同じです。まず、シにフラットが付きますが、今はラがスタート位置です。
置き換えて考えるとシの音から4音下げたところから音階スタートです。今はシの音が、従来だとソの音です。4音下げてレの音。つまり日本語ベースで”二”となります。
従って、二短調となります。
フラットの場合は、長調の時にコツを説明しました。
シとミだと、シの位置から音階スタートです。シの位置 = 日本語ベースで”ト”です。従ってト短調となるワケです。
短調についてまとめると以下の様になります。
基本的な考え方を知っておくと、表になった物を覚えるよりも鍵盤上の動きでわかるようになります。
長調と短調の考え方、どうでしたでしょうか?
ちょっとややこしく感じますが、慣れてしまえばどうって事はありません。また、冒頭でも言いましたが、こんなこと知らなくてもピアノは弾けます。
長調や短調なんて言葉が出てきたら、「調号ついてるのかー」
短調と聞いたら「暗い感じの曲かな?」
そのように考えてもらえれば良いと思います。
少し長くなりましたが、今回はこの辺りで・・!
ではでは。
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